蛇女房
どんな伝承か
昔ある所に若い男がいて、毎夜通って来る若い女と夫婦になり子も生まれた。女は蛇の化身で、正体を知られると乳の代わりにと自分の片目を残して去った。男がその目の玉で子を育てていると、島原の殿様が珍しい物だとむりやり取り上げてしまった。女は現れてもう片方の目を置いていったが、それも取り上げられた。怒った女は地震を起こして山を崩し、殿様を屋敷ごと押し流した。その崩れた跡は今も島原の上の方に残り、河内からもはっきり見える。この時の大津波は河内にも押し寄せ、弁天様が白い馬に乗って報せて廻ったが、逃げ遅れて呑まれた者も多く、波は歳の神まで達したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史・自治体史(民俗))
『河内町史 柑橘・民俗編』所収の昔話・伝説。熊本県河内町(現熊本市)に伝わる三十八話の口承を採録する。