茶壺と鉄瓶の名刺と見破った二重箱
どんな伝承か
四月上旬、福来友吉は京都大学の今村博士とともに熊本へ出向き、兄の猛雄と千鶴子に会って十日から実験を始めた。初日は錫箔の切れ端を封じたものは外したが、茶壺に入れた名刺は五分ほどで氏名を当て、今村が京都から持参した二重箱では失敗した。十一日は熊本で買った錫の瓶と鉄瓶に名刺を入れて試し、どちらも的中した。十二日は場所を変えてある人の別荘で行い、名刺を包んだ二重箱をビスケットの入れ物に収めて出すと、十三分余りののち、一昨日の箱が入っていると見破った。番頭の銭入れの中身も、硬貨の種類と数まで言い当てたという。
原典より
それから其箱をビスケットの の中に入れて千鶴子さんの前へ置くと十三分四十秒の後ち、『あなた方は私をおだましなさいましたね、此の中には一昨日の箱が入れてあります』と答へられた時は、皆顔を見合せて愕きました、…—— 千里眼獨習(神秘術研究會) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千里眼獨習(神秘術研究會)
『千里眼獨習』は、神秘術研究會が著し、盛報館から出た千里眼の独習書である。密封した書状を読んだ下婢の話やスウェーデンボルグが遠方の火災を知った話、御船千鶴子の透視実験など内外の事例を挙げ、千里眼の理論、催眠術との関係、意志・感情・身体の修養による練習法を説く。例言と内容目次に続く十六項目の本文に、手・爪・顔の部位から人の性質や吉凶を見る付録「人生豫言術」を添える。