梅の木の虫と海中の指輪の透視
どんな伝承か
兄に教えられた深呼吸の修練を重ねて不思議な感覚を得た御船千鶴子は、ある日、庭の縁側から梅の木を何気なく眺めていて、幹に二分ほどの虫がいると口にした。そばの人には見えず、そんなものはいないと言われたが、千鶴子が確かにいると言い張るので樹皮をはがしてみると、その下に本当に二分ほどの虫が潜んでいた。また別の日、海辺へ遊びに出て金の指輪を海中に落とした。力を試そうと石に腰を下ろし、無我になって海を見つめると、指輪がありありと目の前に見えた。その場所を探させると、砂と貝の下から指輪が出てきたという。
原典より
又ある日海岸へ遊びに行って金の指輪を海の中へ落しました、其の時も自ら千里眼の力を試さんと思つて、石に腰掛けて、無我の境に入つて海を見つめて居ると眼の前に、ありくと指輪が見へました、…—— 千里眼獨習(神秘術研究會) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千里眼獨習(神秘術研究會)
『千里眼獨習』は、神秘術研究會が著し、盛報館から出た千里眼の独習書である。密封した書状を読んだ下婢の話やスウェーデンボルグが遠方の火災を知った話、御船千鶴子の透視実験など内外の事例を挙げ、千里眼の理論、催眠術との関係、意志・感情・身体の修養による練習法を説く。例言と内容目次に続く十六項目の本文に、手・爪・顔の部位から人の性質や吉凶を見る付録「人生豫言術」を添える。