熊本の武士の幽霊
どんな伝承か
柳田國男が語った話として、蛤御門の戦いに敗れ天王山で自刃した二十五歳の勇士の霊が伝わっている。明治初年、熊本の花岡山で招魂祭が行われる前夜、身内が集まって一泊すると、父が縁先に出た折、庭のタチバナの木の梢に、腹を切ったその若者が羽織袴姿で端座していた。父は一家眷族を縁側に並べ、幽霊にひとりひとり引き合わせて挨拶をさせたという、堂々とした幕末武士の幽霊譚である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。