柿村の笠に降った金毘羅の札
どんな伝承か
柏崎の町の広小路に柿村と小槌屋の二軒があった。柿村は御衣裳屋で、金襴緞子を仕入れに毎年京都へ上り、そのついでに必ず四国へ渡って金毘羅へ参った。ある年、小槌屋が札を受けてきてほしいと頼み、いくらかの金と賽銭を託した。柿村は例年どおり金毘羅へ参ったが、いざ札を受けようと風呂敷を開くと金がない。青くなって探しても見つからない。預かった包みを賽銭と取り違えて箱へ投げ込んでいたのだった。社務所に訴えても嘘と思われて取り合ってもらえず、柿村は自腹で札を受けた。帰りは多度津から靭津へ渡る船に乗る。すると天からひらひらと落ちてくるものがあり、一陣の風とともに柿村の笠の上へ落ちた。手に取ると金毘羅の札であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史・自治体史(民俗))
新潟県柏崎市の信仰と俗信を網羅する。