柏崎市校庭での衝突事件
どんな伝承か
昭和十四年の春、五月か六月ごろの、よく晴れた休日の午前のことである。小学三、四年の男の子が数人、小学校の校庭を跳び回って遊んでいた。何の遊びだったかははっきりしないが、何かのはずみで仲間の一人とぶつかったとたん、右の足の裏に痛みが走った。中指のあたりだったか薬指のあたりだったかは覚えていないが、傷は骨がのぞくかと思うほど深いのに、血は出ていなかった。どう手当てしたのかもよく覚えていないという。柏崎市枇杷島の男性が自ら語った体験である。
原典より
それは中指か薬指であったか覚えていないが、その傷は、骨が見えるかと思うほどに深く、血はでていなかった。—— かまいたち談義(大竹信雄・高志路1998年8月号) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
かまいたち談義(大竹信雄・高志路1998年8月号)
『かまいたち談義』は、大竹信雄がかまいたちについて論じた民俗学の論考である。北蒲原郡笹神村と柏崎市・刈羽郡小国町で集めた、かまいたちにかかった体験九例を挙げ、辞書や『北越奇談』などの説明から構え太刀説・つむじ風説・真空説・筋肉の急な動きによる生理現象説を整理する。「はじめに」から「おわりに」まで六節に分け、体験例の共通点から境界性を論じ、妖怪かまいたちの性格と、『東遊記』や『北越奇談』に見える越後七不思議との関わりを考える。