鶏の羽を挟んで葬る名なしの子
どんな伝承か
名をつけないうちに死んだ子は鳥だという言い方が、土佐山に伝わっている。そうした赤子を葬るときは、両の脇に鶏の羽を挟んで埋め、残された者へ「鳥のようなもんじゃきに嘆きなさんな」と声をかけたという。著者は、霊魂が白鳥となって飛び去ったという古い伝説を思い合わせ、この子はやがて鳥の姿となって飛び出してくるものと期待されていたのではないかと述べる。幼児の葬りが総じて簡素なのも、すぐ生まれ変わると考えられたためらしい。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。