酒好きの八歳児が酔って死ぬ
どんな伝承か
大阪北区北梅田町の仲仕業、前山熊蔵の弟栄次郎は八歳ながら大の酒好きであった。名代の大酒飲みだった父を五、六歳の頃から見習って飲みはじめ、両親の死後は義兄の熊蔵に引き取られて曾根崎小学校に通っていたが、熊蔵は行末を案じて一切酒を飲ませなかった。二十五日午後三時頃、栄次郎は兄の目を盗み、近所の留守宅に同年配の子供五、六人を集め、その家の酒樽から七、八合を取り出して飲み、自分は三合ほどを続けざまに呷って昏倒した。人事不省のまま一昼夜を越し、翌二十六日正午前に死亡。往診した藤田医師は、七、八歳の子が三合の酒を一気に飲めば急性中毒で死ぬのは当然だと語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件