源雅道の家に化けた狐乳母
どんな伝承か
『今昔物語』の話。長和(一〇一三年)の頃、源雅道中将の家の離れで、二歳になる中将の子を乳母が遊ばせていた。すると急に子供の泣き声が高くなったので、中将が駆けつけてみると、乳母と寸分違わぬ女がもう一人現れ、子供を中に挟んで両側から手を引っ張り合っていた。本物とそっくりに乳母に化けた狐が現れた事件である。狐が人に化けて本物と鉢合わせをし、争ったあげく、かろうじて逃げ出してゆくという筋の話の一つに数えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・昭和)
早川純夫『日本の妖怪』。神話時代から江戸まで、日本の妖怪と妖異を歴史の流れに沿って描く。