干し柿の百姓人形を立てるチカライワイ
どんな伝承か
餅つきでは鏡餅の次にチカライワイをつく。一人がつきたての餅を手に持ち、もう一人が年神さんに向かってめでたしと三度唱えながら搗く真似をする。粉をふった大きな椀や主人の茶碗に、はみ出るほど詰めて固め、逆さにしてぽんと抜いたものを三宝に載せて神に供えた。家によっては干し柿で百姓姿の人形をこしらえ、胴巻きは昆布、鍬は松の軸とボール紙で作って、これをチカライワイの上に立て、元気で百姓ができますようにと祈った。一月二十日に砕き、焼くなり煮るなりして皆で食べる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)・自治体史(民俗))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書』所収の俗信・憑きもの・民間療法。出雲平野の大塚町に伝わる心意現象を採録する。カラスの鳴き声で天候を読むアレガラスの予兆、イチヂク・ビワを植えぬ・便所に南天を植える屋敷の禁忌、キツネに憑かれることを『サバラレル』という狐憑き、繁盛するゆえ嫉まれ村八分で結婚に難のあった憑きもの筋『キツネモチ』、着物の裾を結わいたり小豆を井戸に落とすものもらいの呪術的民間療法などを収める。