山姥田に火を放った男の没落
どんな伝承か
高知市の三谷には「山姥田」と呼ばれる田があった。昔、この田を耕していた貧しい男は、毎年よく実るおかげで暮らし向きがしだいに良くなった。ところが稲を刈る手間を面倒がるようになり、とうとう実った稲に火を放ってしまう。すると立ちのぼる煙とともに白髪の老婆が飛び去った。それから男の家は再び傾き、もとの貧乏に戻ったという。山姥と善意で付き合えば福が来、裏切れば不幸を招くという型の話で、同じ筋は土佐郡の各地にも伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。