障子の破れから覗かれた白髪の老婆
どんな伝承か
東川の中野という家では、山仕事のあいだに何々が欲しいと念じて帰ると、いつもそれが用意されていて、暮らしはたいそう栄えていた。あるとき不審に思い、仕事を早く切り上げて戻り、破れた障子の隙間から部屋をのぞくと、白髪の老婆が掃除をしている。思わず声をもらしたところ、老婆は窓から抜け出し、尾を引くように滝の上へ飛び去った。それきり不思議は起こらず、家運も傾いてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。