尾州屋敷の数百年狐と大工
どんな伝承か
尾州御館の白書院の庭には老松があり、その根の穴に長年住む狐へ扶持米が供えられていた。文化十年、修復に来た市ヶ谷の若い大工が、餌の粗末さを見て「うちに来たらうまい物を振舞ってやろう」と独り言を言ったところ、その夜大工に狐が取り憑いた。狐は太閤秀吉の頃からこの屋敷に住んでいると語り、小豆飯を振る舞われて喜んだが、屋敷の門限を破ることはできないと言って、翌朝きちんと落ちたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・昭和(戦中))
生物学者・小泉丹『科学的教養』(戦中刊)。国民の科学性とは科学知識の普及ではなく科学的態度であるとし、科学的・非科学的の境界を吟味したうえで、怪異談を科学的に検討する。