事例5:二月九日にはお赤飯を苞こにつ
どんな伝承か
新潟県中頸城郡吉川町(現・上越市吉川区)では、二月九日にお赤飯を苞こにつめて、あきの方にさげ、鳥にたべさせた。鳥が早くたべた年は良いという。著者はこれをカラスよばいなどと呼ぶ習俗の一つとし、鳥の食い方を神意として受け取るものだと述べる。神霊に供え物をして、それが犬であれ鳥であれ、ともかく早くなくなればよい、神霊の意に添うことができたとするのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・昭和(1988))
民俗学者・佐々木勝が全国の民俗調査をもとに厄除け・厄払いの習俗を日本人の霊魂観から論じた研究書(昭和六十三年)。祖霊信仰・霊魂信仰・厄神信仰を背景に、防塞系呪術(防御型・鎮送型・攻撃型・潔斎型)と祭祀系呪術(供物型・奉迎型)に呪術を類型化する。本文は〔事例〕番号付きで全国各地の具体的習俗を多数収める。