ある季節に多数の海豚が群れをなして五智の方へ押し寄せることがあり
どんな伝承か
越後の直江津の海岸に、五智如来と称する名高い寺がある。ある季節になると、海上に沢山の海豚が群れをなして五智の方へ押し寄せて来ることがある。その地方ではこれを海豚の五智参りと唱え、あの魚が如来様へ参詣に来るのだと言い伝えている。同じ越後では、南魚沼郡の八海山で、旧暦八月一日の山神の祭日に多くの信者が山上に登って通夜すると、谷間から無数の火光が上って来るのが見え、これを各戸から山神に献ずる灯明が伝わって来るのだと言うという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。