初客が女なら繁盛する俗信
どんな伝承か
店を開けて最初に入ってきた客が女であれば、その日は一日商売が繁盛するという。これを女子エビス、あるいは朝エビスと呼ぶ。逆に最初の客が僧であれば朝坊主といって喜ばれない。岡山市などでいう言い方である。掛軸がふいに落ちる、下ろしたばかりの履物の鼻緒が切れるといった出来事を凶兆とし、馬の藁沓を拾えば縁起がよい、炉の薪が音を立てて燃えれば珍客が来ると読む——日常の異変から先を知ろうとする俗信の一つである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。