十 『北越雪譜』の雪の中
どんな伝承か
地獄谷に燃える火や、永光寺のほとりに住んでいた貴人の内室が、色情の妬みから夫をうらみ、東光ヶ渕に身を沈めて冤魂悪竜となり人を悩ませたという話などを収めているのが、鈴木牧之の『北越雪譜』である。牧之は越後国(新潟県)の塩沢に生まれ、幼くして大連寺の快運法師に経書を、徳昌寺の虎斑禅師に詩を、狩野梅笑に画を学び、諸芸百般に通じた人物であった。代表作『北越雪譜』は初編三冊・二編四冊の計七冊からなり、初編は天保六年、二編は天保十一年に刊行された。牧之は晩年ほとんど耳が聞こえなくなり、螺貝を聴声器として用いたことから螺耳とも号したという。天保十三年、七十三歳で世を去った。
原典より
* 十一 『遠野物語』の現実と超現実* 十二 『聴耳草紙』の生き返った男女* 十三 〈〈昔ばなし〉〉の子育て* **第四章 幽霊の系譜〈能・歌舞伎の発生と展開〉*** 一 能の幽霊たち 『船辨慶』の知…—— 日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路・幽霊・文学史・昭和) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路・幽霊・文学史・昭和)