奈良井
どんな伝承か
長野県木曽郡奈良井(現・塩尻市)での話。奈良井の宿で民宿をしているおばさんから聞いた。おばさんは嫁に来た当座、姑に気兼ねをしていた。木曽駒ヶ岳を越えた飯田の山あいの村から嫁いで間もなく、実家の母が病気になった。母は自分に看てもらうのでなければ嫌だと言って入院しなかったので、病院へ行って看るからと言って入院させた。だが姑がおり、仕事も子供もあって病院へ行けず、三か月ばかりで母は亡くなった。その後、母が青い顔をして枕元に出てくるようになった。墓へ行き、看病に行けなくて悪かった、成仏してくれと拝んだところ、それきり出なくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。