他所者ばかりの人夫という不思議
どんな伝承か
明治四十二年五月二十七日、木曽路を鳥居峠へ向かう途中の記である。福田定吉という工員が親切に世話をして、奈良井までは工夫に荷物を持たせて送ってくれた。ここで巡査に頼んで藪原までの人夫を見つけてもらったが、美濃の養老から来ているという男であった。今までどこへ行っても人夫を雇えば必ず他所者であるのはなぜだろうか。土地の人には定業があるためか、またはこういう難役を賤しむからか、あるいはこういう者が特に熱心に仕事を求めるからか。三つとも恐らくは原因の一部であろうと柳田は考えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。