鯨波・柏崎間の円形残し耕作
どんな伝承か
高田を四時半に立ち、汽車で柏崎へ向かう途中の見聞である。鯨波と柏崎の間などの田に、所々一間径ばかりの円形に土を囲い、そこだけ古株のままに耕さずに置いてあるのが目についた。これは肥料の流散を防ぐため、なるべく遅くまで肥土をそっとしておくのだという。あるいは雪中の肥曳きの風習の名残かもしれない。以前は田は春になってから打ったのが、近年は仕事の都合でここだけ残して早く打っておくことになったものかと柳田は考えている。鉢崎あたりの海岸には浜茄子が多く咲いていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。