明恵上人の大蛇と鵲の夢
どんな伝承か
宗教史に見える合目的性幻覚の例として、京都栂尾の明恵上人(高弁)の話が引かれる。この人には生涯に夥しい幻覚の経験があった。十二、三歳の時、高尾を出ようと思うことがあり、父母が自分を薬師仏に参らせたのだから暇を申してから出ようと考え、八幡大菩薩にも暇を申した。するとある夜の夢に、すでに高尾を出て三日坂まで来たと思うと、大蛇が頭をもたげて追ってきて路をふさいだ。八幡大菩薩の使いだという。また三、四寸ばかりの鵲が飛来し、大菩薩の使いとして引き留めに来たと告げた。上人はその後、思いとどまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊学講義(変態心理学講義録)(日本変態心理学会・心霊学・変態心理学・大正〜昭和(戦前))