歯のこぼれる夢
どんな伝承か
市内西部の女性が語る、終戦のころの親戚の話。小学六年の男の子の母親が、ある晩、前歯がそっくり抜け落ち、それを紙に包んで墓へ持っていくという奇妙な夢を見た。するとその子が急性胃腸と呼ばれた病で急に熱を出し、下痢をして、一昼夜のうちに亡くなった。当時、幼い子が死ぬ原因の多くはこの病だったという。亡くなったのは勤労奉仕にも出る元気な長男で、母親は、歯のこぼれる夢は良くないと言われるが本当だったと話していたという。
原典より
前歯がみんなこぼれてしまい、それを紙に包んでお墓に持っていく夢だった。—— 所沢市史 民俗編(所沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。