祖母の虫の知らせ
どんな伝承か
三ヶ島出身の女性が語る、兄と祖母の話。兄は幼いころから祖母にかわいがられていたが、独り身のまま二度出征した。一度目は八十歳を超えた祖母も面と向かって見送ったが、二度目は物陰に隠れて泣きながら見送るしかなかった。その二度目の出征中に祖母は亡くなる。数日後、中国にいた兄から突然二円が届いた。戦後、無事に帰った兄にわけを聞くと、祖母が雷に打たれて死ぬ夢を見て、夢枕に立ったのだと悟り、香典のつもりで送ったのだと答えた。虫の知らせはあるものだと皆で語り合ったという。
原典より
すると兄は、おばあちゃんが中国で、兄の夢枕に立ったからだと答えた。—— 所沢市史 民俗編(所沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。