淺間山麓の怪史
どんな伝承か
信州浅間山の西北麓には、古くから魔所とされる深い森があった。天明年間、今から百二十、三十年ほど前のこと、軽井沢の猟師権十がその付近で網を張っていると、武人の姿をした男が現れ、自分の草鞋の紐を結んでくれと左足を差し出した。権十が畏まって紐を結ぶと、男は片手で権十の頭を押さえていた。その痛みに耐えながら結び終えると、男は右足はよいと言って立ち去った。しかし権十の頭には異人の指の跡が三本深くくぼんで残り、生涯治らなかったという。
原典より
信州淺間山の西北麓に、昔から魔所と称せられる深林があつた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前))