角の数が決まる理由を尋ねた金米糖屋
どんな伝承か
金米糖になぜ角が出るのか、その数がなぜ統計的に決まるのかは、どんな偉い物理学者にも答えられないという。まだ学生だった福島君と一緒にこれを調べたとき、金米糖屋はもうあまり残っておらず、浅草の柳原にやっている所があると聞いて、こしらえているところを見に出かけた。教わって来て自分でもやってみたが、なかなかできなかった。核は芥子粒でなくてもよく、砂糖にうどん粉を混ぜて核にかける。種々の段階の金米糖の見本一式をもらって帰り、それきりその金米糖屋へは行かなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異考 - 化物の進化(寺田寅彦・大正9年(1920)〜昭和12年(1937)発表の随筆を収録。中公文庫『怪異考/化物の進化 寺田寅彦随筆選集』)
物理学者・寺田寅彦が大正9年〜昭和12年に発表した随筆を集めた一冊。表題作「怪異考」では郷里高知の怪音「孕のジャン」を地鳴り(小規模地震)、馬を殺す魔物「頽馬・ギバ」を空中放電(セントエルモの火)と推定するなど、各地の怪異を一次資料(『民俗怪異篇』『伽婢子』等)に基づき現代科学の語彙へ翻訳する。