多田岳山中(※ふりがな「おばま」)
どんな伝承か
大正時代のこと、小浜市和久里に住む山口はる(当時八十四歳)が若い頃、山仕事で杉の下草刈りをしていたときの体験だという。突然ザワザワと風が吹き、頭の髪の毛の根がぎゅっと締まるほどの恐怖に襲われた。目の前には霧がたちこめ、何が起きたのか分からぬまま、しばらくその場にうずくまっていたという。はるは後年、あれはきっと天狗の仕業に違いないと語っている。この話は多田岳の山中での出来事として記録されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。