尾根を通うグリン様と鳴り輪の音
どんな伝承か
下伊那の栗尾根に炭焼き平と呼ばれる場所がある。下栗の久保敷作右衛門という人が、そこに作小屋を建てて住まいとし、山畑を耕していた。ところが夜が更けるたび、グリン様が馬の鳴り輪の音を響かせてこの尾根を通っていく。作右衛門はそれが恐ろしくてたまらず、小屋をツルネからずっと下の場所へ移した。すると鳴り輪の音も聞こえなくなったという。今から七、八十年ほど前の出来事と伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。