33話前編. 金沢の若い女の幽体離脱事件
どんな伝承か
金沢での出来事として『三州奇談』に記された話。ある夜更け、浅井多門は友人宅からの帰り道、若い女が一人歩いているのを見かけ、うかれ女だろうとからかい半分に声をかけ手を取ろうとした。女は驚いて逃げ出したが、多門が家の門まで戻ると、その女がじっと立っている。妖怪に違いないと悟った多門は雨戸から抜き打ちに斬りつけると、悲鳴とともに女の姿は消えた。だが同時に、台所で寝ていた実際の女が悲鳴を上げて気絶しており、介抱されていたのはまさに斬ったはずの女だった。目を覚ました女は「夢の中でお武家様と門まで同道し、斬られたように覚えている」と語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪伝説(小笠好恵・昭和中期~後期(推定))