怨霊調伏儀礼における憑坐の役割
どんな伝承か
承久本『北野天神縁起』には、菅公の怨霊に苦しむ藤原時平の耳から蛇が顔を出し、浄蔵が必死に祈祷する場面が描かれ、帷に囲われた二人の女官が添えられている。当時の人々は病の原因を生霊や死霊の怨みに求め、正体の定まらない憑依霊を物の怪と呼んだ。密教の加持祈祷では、験僧が病人の体から用意した憑坐の体へ物の怪を駆り移し、憑坐から退散すれば病が癒えるとされた。憑坐は病人の体内にあるものを人に見える状態にする鏡であり、絵の女官はその憑坐用の下級女官と考えられるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦・1990年代~2000年代推定)