美濃春近・井上家の狐の書
どんな伝承か
美濃安八郡春近の井上家に伝わる書は、鳥啼花落と書かれ梅菴と署名がある。本名は板益亥正といい、長く井上家の後園に住んだ老狐で、しばしば人の姿で来訪した。医道の心得もあり禅を能く談じたが、ある時行方が知れなくなり、後に村の者が近江大津の町で偶然この梅菴に行き逢った。死期が近く再会も叶わぬと落涙し、一筆を託して別れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。