大垣城の念写実験
どんな伝承か
大垣町で新聞社が主催し、有志が開いた三田氏の念写の公開実験について、著者は記録の手薄さを指摘している。報告では、念写が済むとすぐ会場の明かりを落として赤い灯に替え、立会人の見守るなかで河野氏が現像すると、大垣城を写したという像とともに不思議な文字がくっきり現れたという。だが見物人は二千人もいたのに、場内の整理や赤い灯の下での監視がどこまで行き届いたのか、三田氏や仲間がその間どこで何をしていたのかは書かれていない。術者が前もって写真を用意していた疑いも招きやすい素人の実験法だと著者は評し、福来博士の実験ではなく博士が著書で紹介しただけだと断っている。
原典より
三田氏の大垣町に於ける念寫の記録(三六五頁)に、念寫終るこ「直に會場の燈を消して赤燈こなし、河野氏が立會人監視の下に現像したるに靈妙の文字……が美事に現出した」こある。—— 近代心霊学(平田元吉・1925年(大正14年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代心霊学(平田元吉・1925年(大正14年))
『近代心霊学』は、平田元吉が大正十四年八月付の序を付した心霊研究の入門書で、序によれば旧著『心霊の秘密』の増補版にあたる。精神感応やパイパー夫人の霊媒現象、物理的現象を論じた篇に続き、心霊写真、心霊的彫塑、発光、肢体の有形化、二重身、霊媒に伴う幽霊ケーティ・キングといった物質化の現象を、マムラやハーディ夫人、エウサービア、クルークスらの実験記録で紹介する。巻末に参考書目と、御船千鶴子の透視と長尾郁子の念写を論じた附録を付す。