八重山宮良のオブを避ける青年
どんな伝承か
宮古・八重山の二主島や大島の二三の村では、御嶽の構造が沖縄本島と少し異なり、外の入口に鳥居に似た門があって、普通の拝所がその内にある。霊場の中央はさらに珊瑚礁の石をもって一区を画してあり、これをオブという。わずかの地積ながら樹木が深く、極めて屈曲した細路が付いている。八重山の宮良村で処々の御嶽を案内してくれたのは、前盛某という最も順良な青年であったが、オブの中へ入らぬのはもちろん、その正面に立つことさえも避けた。理由を尋ねると、ただどうしてもそうする気になれぬと、しおらしく答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。