神の杵と鬼の杵
どんな伝承か
保良の元島には、昔、西と東に二軒の家があった。狩俣の人が投網をしに来て知り合いとなり、しだいに人も増え、友利からは貢物を取りに人を通わせたという。その頃、七又の近くに鬼が居て女を殺していた。鬼は番犬を飼い、犬が吠えると人だと言って捕えた。ある時、女が捕まり、開けるなと言われた鍋の蓋を開けて見ると、入墨のある人間の腕を煮ていた。女が便所に行くと言うと、鬼は足を縛り、まだかまだかと縄を引く。女は縄を浜木綿に縛りつけて逃げ、トヨマの屋敷に逃げ込んだ。追って来た鬼が、次々と子を生む女は来なかったかと尋ねると、トヨマは鬼をクバの葉に包んで天に投げ上げた。それ以来、人は安心して道を通れるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。