弘法清水
どんな伝承か
長沢の北に弘法水という泉がある。昔、弘法大師が念場の原を通ったとき、三里もある長い原に水が無く旅人が難儀するのを哀れみ、持っていた杖で大地を突いたところ、たちまち清水がこんこんと湧き出た。これが弘法水である。この水は味噌の醸造に格別適するといわれ、七、八十年ほど前には甲府のたくまという味噌屋が、醸造期になると毎日十数頭の馬にこの水を運ばせ、長沢の宿は水汲み馬で賑わった。泉の傍らの弘法大師の石像はその味噌屋が建立したもので、この像にさすってもらえば百日せきがすぐ治るという。また弘法水は諏訪湖と通じており、湖へ物を流すと三日目にはここへ流れ出るとも伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。