送り犬
どんな伝承か
今から百余年ほど前、京戸山の奥はまだ果樹畑にならず、円常坊の近くから上は一面くぬぎなどの林であった。その頃、送り狼と呼ばれる山犬が出没し、人々に恐れられていた。京戸山などで薪取りを終えて帰る際、山犬が後を付いてきて、戸間口まで来るとすわりこみ、何かくれるのを待っている。この山犬は塩が大好物といい、一握りの塩を皿か紙にのせて出してやると、きれいになめてからどこへともなく姿を消していく。その頃から「ころべばオオカミにくわれるぞ」と言われ、山や林から帰るときは転ばぬよう気をつけ、後ろを向かないようにして家へ帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。