送り犬
どんな伝承か
昔、日川端にあった称名院が今の場所へ移る前、この屋敷一帯は長谷川源之丞という者の所有地であった。長谷川の娘は川田村へ嫁いだが、事情があって一時実家に戻っていたところ、婚家の夫が大患いしていると聞いた。娘は人目を忍び、夜ごと村西の重川の土橋を渡り、桑戸橋から小松へ出る人里離れた夜道を一人で通って看病し、明け方に実家へ帰った。一年余りの間、何の事故もなかったのは、どこからか現れた一匹の山犬が、いつも蔭になって娘の前後を護り、送り迎えをしたからだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。