建長寺の狸
どんな伝承か
一町田中の旧家で名主であった佐藤新左衛門方へ、建長寺の貫長が来て泊まった。出立の際、土産として稲穂に鷹の絵を描いて贈り、同家ではこれを家宝とした。しばらくして妙な噂が伝わってきた。建長寺の貫長が東海道で大きな犬に噛み殺され、貉になってしまったというのである。佐藤家では、お触れのあった際のお達しに不審を抱いた。すなわち犬は厳重に繋ぎ置くこと、入浴の折も流しは断り、食事の際も給仕を避けたことに思い当たり、確かに貉の仕業であると村中の大評判となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。