谷に落とされた三十六人のおいらん
どんな伝承か
奥多摩の渓谷には武田信玄の金鉱があったが、家康が攻め寄せたため鉱山を埋めた。そのとき、採鉱夫の慰安に連れてきていた遊女の始末に困り、酒盛りをしていた三十六人を谷へ落として殺したと、道路の掲示板に書かれている。車で通ると道の両脇に三十六人の遊女がずらりと並んで出るという。昭和六十年三月、友人四人で夜に出かけたが遊女は現れなかった。ただ三人は寒気がして頭が痛くなり、何ともなかった一人は二日後にバイクで事故を起こして怪我をした。遊女のせいだと言われている。
原典より
自分の所から二十里ほどの後藤野の話。—— 現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。