八百比丘尼
どんな伝承か
往古、白鳳の大地震以前、須崎の近傍に「大坊千軒」と称される繁栄した浦があった。あるとき、この浦の漁師の一人が、体は魚で頭は人間であるものを取り、国主に献上せずに分け合って食べた。そのことがお上に知れて漁師たちはすべて処刑されたが、その料理の爼についた人魚の肉をなめた一人の少女は、母とともに山中に隠れた。少女は国々を遍歴して若狭に留まり、八百年生きたという。その後、土佐に帰って報恩のために旧里に石塔を立てようとしたが、白鳳の海嘯で大坊は陥没して跡方もなく、その近傍に建立した。延喜年間、浪野家の先祖が加茂社を勧請した折、石塔は当社へ移されたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。