大滝さん
どんな伝承か
昔、池の原の長者に二へ姫という美しい姫がいた。池の主がこの姫に思いを寄せ、秋のある夕方、池のほとりを歩く姫の前に若者の姿で現れて微笑みかけた。姫も心ひかれ、夕暮れに池のほとりを歩くのが楽しみになった。ある日、若者に誘われるまま水に入って気を失ったが、気がつくと池のほとりにおり、少しも濡れていないのが不思議だった。やがて姫の顔から生気が失われていく。ある年の六月一日、通りかかった武士が大蛇に巻かれた姫を見て弓で両眼を射抜いた。蛇は浮布の池に逃げこみ姫は正気に返ったが、間もなく池に身を投げて死んだ。以来毎年六月一日の巳の刻に、白い波の道が池に現れると伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。