豊凶を告げる世の中桜
どんな伝承か
元屋の字馬越、通称浄那の山中には、彼岸桜より早く花をつける一本の桜がある。世の中桜、また世間桜、世の中知らせ桜とも呼ばれ、三光国師が自ら植えたものだと伝えられる。花がすべて咲きそろった年は豊作で、その年の作柄は咲き具合に応じるとされた。かつては国師の創建になる建福寺の僧が咲きぶりから豊凶を占い、役所へ報告しており、その評判は江戸幕府にまで届いたという。隠岐を巡る道者もこの名木を欠かさず訪ね、里人に開花を尋ねては、美しく咲いたと聞いて喜んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。