七人のみさき
どんな伝承か
岩国市の通津は昔から漁業の盛んな豊かな村であったが、ある年、急に魚が獲れなくなった。漁師たちが見張っていると、漁場を荒らす二艘の船を見つけた。捕らえられた七人は大島の漁師であったが、気の短い通津の漁師によって殺され、みさきに埋められた。ところがこの日を境に、魚はいっそう獲れなくなった。殺された漁師の呪いを払うため、小さな祠を建てて弔ったところ、再びもとのように魚が獲れるようになったという。通津の「七人みさき」という講は、こうして起こったと伝えられる。親条の徳山では、七人のみさきは黒衣を着た坊主七人の姿で日暮れに現れ、見た者は死ぬといわれて恐れられた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。