行基
どんな伝承か
奈良時代、行基が諸国巡行の途中、河内から大和へ暗峠を越えようとして豊浦村へさしかかると、日が西に傾いて困っていた。そこへ慈悲心の厚い人が通りかかり、こんな夕方に峠を越すのは無理だから自分の家に泊まってはどうかと勧められ、行基はその家に泊まった。その晩は主人の妻の出産予定日で、真夜中に産気づいたが難産で命さえ危うく見えた。主人が助けを乞うと行基は安産の加持を行い、妻は無事に産んだ。行基は仏の力だと説き、皆のために地蔵尊を刻むから施主になれと言った。主人が用材を差し上げ、行基が加持祈禱して地蔵尊を作り、主人はこれを子安地蔵と名づけた。話を聞いた近郷近在から参詣者が雲集したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。