蘇民札の由来
どんな伝承か
素盞鳴命が嫁さがしに全国を歩かれたとき、この瀬古の地で一番の長者であった巨旦将来の家に一夜の宿を乞うたが、巨旦はすげなく断った。命は数町離れた蘇民将来の家へ行き、蘇民は貧しい暮らしにもかかわらず快く泊めてもてなした。数年後、命は伊勢の地から妻をめとり八人の子をもうけ、ある年その子らを連れて悪人どもを平らげに来た。蘇民の家を訪ねると娘が一人いるだけで、父の死後も兄の巨旦がまったく面倒を見ないという。命は不届きと怒って巨旦を殺し、娘には、疫病がはやったら蘇民将来の子孫だと言って茅の輪を腰に付けよと教えて立ち去った。以来この地方では、家々の門口に蘇民将来子孫繁昌の家という木札を掲げるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。