瀬音を消した水無神の使いあじめ
どんな伝承か
宮村の大憧寺に、学徳のすぐれた和尚がいた。水無神はこの僧に深く帰依し、あるとき仏の道について尋ねたところ、和尚はねんごろに仏法の奥義を説いて聞かせた。神は大いに喜び、自分の力でできることなら何なりと申せと言う。和尚は、寺の前を流れる宮川の瀬音が騒がしくて修行の妨げになるので、これを消してほしいと願い出た。神はいとも易いことだと答え、配下の安治米という魚に命じて水を地下へ潜らせ、瀬音を絶ってしまった。以来、村人はあじめを水無神の使いとみなし、この魚を決して捕らないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第7巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全97話(愛知・岐阜・長野・静岡=中部)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。