片目を継ぐ長官と堅野の池の魚
どんな伝承か
菅生石部神社に伝わる縁起は、この社の長官が祭神豊玉姫の面影を拝んだとき、二度は見るなと神が手で片目を撫でたため、長官は片目になったと記す。以来この家では、庶子であっても生まれつき片目の子に家督を継がせることを系図の定めとしたという。池の魚が片目である由来も語られる。かつて御子神が舞姫に乗り移る下之舞の祭という神事があり、ある年どうしても神が降りなかった。長官の穢れのせいだとされ、長官は御手洗であった堅野の池へ馬ごと乗り入れた。片目の長官が入って以来、池の魚はことごとく片目になったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。