地に挿した杉箸が根づいた逆さ杉
どんな伝承か
田んぼの中に、県の天然記念物に指定された逆さ杉がそびえている。倒杉とも呼ばれ、樹齢はおよそ九百年、高さ十二メートル、幹回り七メートルの大木で、土地の人に安らぎを与えるとともに畏れられてもいるという。古老によれば、その姿は臥した竜が天へ昇ろうとしているところなのだという。枝は下を向いて伸び、地面へ垂れ下がっている。昔、若狭の八百比丘尼が真言宗高照寺の薬師に祈願し、昼食に使った杉箸を地に挿して百日のあいだ千万遍の称名を唱えたところ、病が癒え、箸は根づいて枝葉を出したと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。