ナオの神界に遊ぶ夢と水行
どんな伝承か
一八九二年(明治二十五)正月を迎えたころから、出口ナオは、白い衣を着た尊貴な神々がいる神界に遊ぶ夢をしばしば見るようになった。旧正月五日、新暦の節分の日、ナオは突然はげしい神がかりに陥る。以後十三日間、断続して神がかりがつづき、なると身体が重くなって腹に何かが宿った感じになり、端座したまま身体が上下に揺れた。腹中のものはナオに水行を命じ、ナオは寒中の井戸端で幾度も水をかぶった。問答をすると相手は『艮の金神』と名乗り、世の立替え立直しを説いた。ナオはこれを、みずからの人生の新しい出発と受けとめた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
出口王仁三郎(村上重良・村上重良・近代民衆宗教史・現代(評伝)/明治〜昭和(対象))
村上重良による出口王仁三郎(1871-1948)の客観的評伝。京都・亀岡の貧農の子・上田喜三郎は、祖父の霊の守護や金神の祟りといった霊異の中で育ち、明治31年の高熊山修業で神人感合に達して宗教者へ転身。長沢雄楯(本田親徳の系統)から鎮魂帰神を相承し、綾部で艮の金神の神がかりにより大本を開いた出口ナオと出会って両教祖の経緯(たてよこ)の仕組みを成す。