旅僧を殺した家に出る座敷坊主
どんな伝承か
愛知県北設楽郡の佐多から天竜川を渡ると、静岡県側の門谷という集落に出る。その集落のある家に、旅の僧が一夜の宿を借りた。僧は翌朝まだ暗いうちに発ったが、家の主人は先回りして道で待ち伏せし、僧を殺して路銀を奪ったという。以来この家は富み栄えたが、話はそこで終わらない。殺された僧の恨みがこもったのか、屋敷には座頭を思わせる座敷坊主が出るようになり、その座敷で寝る者の枕を返しては脅かすようになったと語り伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・昭和)
武田静澄『河童・天狗・妖怪―民俗随筆』。全国の妖怪伝承を天狗・河童・ざしき童子・妖怪心理の四部で随筆風に集成する。天狗篇では天狗の団扇・誕生、祈禱くらべ、天狗に憑かれた女、幻術つかい、神かくし、天狗にさらわれた人々(お庭番のゆくえ・天から降った男・ふたり夫・天狗六兵衛・おかんの末路)、神かくしにあう心理、ぐひん餅と山荒れ、天狗の相撲場などを収める。