元慶の大流星と樹葉の怪声
どんな伝承か
『扶桑略記』は、陽成帝の治世下の奇怪な記事を載せる。元慶二年(八七八)五月九日の亥時(午後十時頃)、大流星があった。その尾は二丈ばかり(約六メートル)で、色は赤く光っていた。多数の星が共に落ちていったが、流星が通過した途上の樹々の葉は、奇妙な声を出したという。同じ月には、白鷺が一つがい紫宸殿前で相闘い、夜空に真赤な光が見えるなど、奇怪な現象が相次いで記録されている。これらは藤原摂関政権下の妖異事件の一つとして語り継がれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・昭和)
早川純夫『日本の妖怪』。神話時代から江戸まで、日本の妖怪と妖異を歴史の流れに沿って描く。